「埋葬」など墓地・墓石などに関する決まりごと
「埋葬」など墓地・墓石などに関する決まりごと
私たちの生活と深いつながりがある「お墓」は、公共性があるものですから「墓地、埋葬等に関する法律第48号」など国でいくつかのきまりを作成しています。
葬儀やお墓を作る場合には、法律を意識することは少ないでしょうが、多少でもそれらの内容について知っておくと役立つかも知れません。
法律上の定義では、埋葬とは「死体(妊娠4ヶ月以上の死胎を含む)を土中に葬ること」となっています。
また埋葬や火葬をする場合の死後の時間経過に関しても定められていて、「他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければこれをおこなってはならない」となっています。
ただ、妊娠7ヶ月に満たない死産の場合はこの限りではないとなっています。
法律では「墓地以外の区域に行ってはならない」と埋葬について定められているので、自宅の庭に勝手にお墓をつくったり、遺骨をお墓以外の場所に埋めたりすることはできないことを知っておきましょう。
また埋葬や火葬をするに当たっては、「市町村長(特別区の区長も含む)の許可を受けなければならない」と定められているので、市町村役場に届けて「埋葬許可証」か「火葬許可証」の交付を受ける必要があります。
この時には許可を受けようとする人が、必要事項を記入した申請書を市町村役場に提出しなければなりません。
お墓に対する定義もあって、「墓地とは墓地として都道府県知事の許可をうけた区域」となっていて、誰でも勝手に墓地を作ったり経営したりすることはできないことになっています。
また、お墓への遺体や遺骨の埋葬・収蔵に関しても、「埋葬許可証または火葬許可証を受理した後でなければならない」と定められています。
あと、お墓は個人的な問題であると同時に社会全体に関係するという考え方から、「墓地、埋葬法律施行細目第8条」で禁止行為を明確にしています。
お墓の権利者がなくなった場合には、お墓を継承することになりますが、この点に関しても決まりごとがあります。
まずお墓の承継に関しては一般の財産の相続とは区別されていて、「祭祀財産」として扱われて民法で承継する人について定められています。
難しく記載されていますが、まずはその家の長男が承継する人というのが基本です。
ただ、長男でなくともその地域の習慣や家庭の事情などで承継する人を決めても良いですし、どうしても決まらない場合は最終的に家庭裁判所が決めた人が承継者となります。
つまり、責任をもってお墓を管理する人を決めて、それが実行できる人をお墓の承継する人と定めているのです。
その他にも墓地・埋葬等に関する様々なことが法律や施行令などで定められています。
ただし、通常は葬儀社・石材店・墓地管理者などの方がサポートしてくれるので、法律や施行令などの細かな内容まで知る必要もないかも知れません。
しかし、ある程度の常識として理解しておくことも必要なことなので、最低限知っておくべ事柄については理解しておくと良いでしょう。